皆さんこんにちは。ウメブラスタッフのエルです。
今回はスマブラ界隈で使われている独特の言い回しや、ちょっと聞いただけでは意味がわからない造語について語ります。
スマブラの動画を熱心に追ってくれてる人や、界隈にどっぷり使っている人にとってはお馴染みの言葉も多いと思いますがお付き合いください。
この記事の目次
独特の言い回し
まず最初に、単語から割と意味が推察できるが、他の場所ではあまり見ない使い方をしているものから解説していきます。
なんとなく聞いたことあったけど、こういう意味で使っていたんだと再認識してもらえれば幸いです。
エッジガード
名前の通り、崖端での攻防のことを指して使うことが多いです。
海外では古くからこの名称で使われてきましたが、最近では日本の実況でもたまに耳にします。
崖のやり取りの中でも特に崖奪いは「レッジトランプ(Ledge trump)」と呼ばれることがあります。
そもそも崖際のやり取り自体が、スマブラ特有のやり取りなので独特の言い回しですよね。
ニュートラルゲーム
互いのファイターが特に明確な有利・不利な状況になく対等な状態のやり取りを指して言うことが多いです。
日本語で近い言葉となると難しいですが、ニュートラルゲーム状態が強いって言う表現を使うことから考えると、立ち回りという言葉が適切かもしれません。
そもそもニュートラル状態が強いって言い回しが特殊であり、この言い回しに違和感を持たない人は格ゲーや対戦ゲームを嗜んでいる人ではないでしょうか。
ダウン連
ダウンしている相手に、弱い攻撃を当ててダウン状態を強制的に継続させることをいいます。
確かに見た目通りの状態なのですが、他の格ゲー等でダウン連という言葉を聞いた記憶はなく、考えてみればスマブラ独特の要素です。
拒否
拒否という日本語は、ある事に対して拒んだり拒絶するという意味で使われます。
スマブラの対戦において拒否という言葉が出てきた場合、多くは拒否行動や撃墜拒否を指していることが多く、間合い管理や立ち回りのことを指すという独特な言い回しです。
実際に英語でも、拒否だと「Rejected」と表現することが多いですが、スマブラにおける拒否は「Spacing(間隔)」と表現することが多いそうです。
ちなみに対戦外で使われる用語である、拒否ステージの拒否は「Stage Ban」といい、禁止という言い回しで表現します。
DSR(Dave’s Stupid Rule)
2本先取以上の対戦において、前の対戦で負けたステージを拒否ステージとは別に消すことのできるルールのことを指します。
この大会はDSR有りでと説明された場合は、拒否ステージが多くなり沢山のステージを使って対戦されることが多いです。
スマブラ界隈独特の造語
ここからは今回の記事のメインになる、スマブラ界隈独特の造語について解説していきます。
自分がわかるものに関しては、なぜその単語が生まれたかの経緯も解説しますので、是非スマブラ好きな人同士や日常生活で使ってみてください。
ダブルマークナル
スマブラ界隈で使われる謎の言葉として最も有名なものの1つは、おそらくこのダブルマークナルでしょう。
使われ方として最もポピュラーなのは、攻撃側のAという行動が防御側のBとCという2つの行動どっちに対しても対応して両対応になっているときです。
「その行動ダブルマークナルになってるじゃん」みたいな言い方で使ったりします。
ダブルマークナルの由来とは
そもそもなんでこんな謎の名前が生まれたのか、折角なのでこの言葉が誕生した流れについて少々長くなりますがこの機会に説明しておきたいと思います。
まずは語源についてです。唐突ですが、スマブラXで最強技の1つとして知られていた、メタナイトの通常空中攻撃をご存知でしょうか。
現在でも攻撃モーションは特に変わっていませんが、ダメージ・判定・全体フレーム全てが桁違いの性能で、ブギーというプレイヤーはそれを「まるくなる攻撃」と呼んでいました。
その攻撃技をデデデの上必殺技復帰に対して、上りで1回と最高点近くで1回の合計2回当てて復帰阻止することを「ダブルまるくなる」と呼んでいました。
ある日パペピアというプレイヤーのデデデに対してその復帰阻止を軽快に決めたブギーは、デデデの復帰は「ダブルまるくなるで詰むんですよ」と言って説明していました。
それを聞いたパペピア氏は、「ダブルまるくなる」を「ダブルマークナル」と空耳し、ダブルマークナルという言葉が最初に生まれました。
その名前を気に入った両氏は当時中部地方で全国に影響力を持っていた、ごんた(りりぃ)というプレイヤーのラジオで「ダブルマークナル」っていう関東地方の最新テクニックがあると説明しました。
語呂が良く使いやすいため気に入ったごんた氏が、ラジオでその内容を大きく取り上げそれを聞いていたプレイヤー達の耳に触れたのが世の中で初めて披露された瞬間です。
なぜこの単語が現在両対応という意味で使われるようになったかは想像の域を出ませんが、おそらくメタナイトの通常空中攻撃を2回振ることがダブルマークナルとして広がっていったからだと考えています。
スマブラXをプレイしたことのある人であればピンとくると思いますが、この技は破格すぎる性能のため着地狩りの場面で多くの場合両対応となっているのです。
変な聞き間違いやローカルなラジオから発祥した言葉が、現在全国区で色々な実況等でも使われているのはすごいことですね。
じぇんとるメン
次に説明するのは「じぇんとるメン」です。
名前から行動が想像もできない上に、なぜじぇんとるが平仮名なのか、そもそもなぜジェントルマンじゃないのかというと、実はプレイヤーのハンドルネームなのです。
意味自体は弱攻撃を百烈に派生させず、適切なタイミングで三段止めするという行動を指し、特にファルコンの弱攻撃三段止めを指して使います。
日本ではあまり聞く機会はありませんが、アメリカの大会では、メジャー級の大会実況でも耳にすることがあるほど浸透しています。
じぇんとるメンの由来とは
この行動についても、出来上がった経緯が面白いためここで紹介させて頂きます。
この言葉が出来たのは、先程紹介したダブルマークナルが生まれたスマブラX世代よりも更に遡りスマブラDXになります。
当時日本人のDX勢がアメリカに遠征をし、その先で64のレジェンドプレイヤーとしても有名な、旧DX五神の1人であるIsai(アイゼア)と出会います。
細かいニュアンスは当時現地で見ていた人の記憶すら曖昧ですが、フリー対戦でIsaiにボコボコにされていたじぇんとるメンは、なぜかファルコンの弱3段止めをアイゼアとどっちが精度よく出来るか勝負することになりました。
Isaiとしても5神であり、当然自身の操作精度には自信を持っていたことだと思いますが、周りの予想に反して、日本人のじぇんとるメンというプレイヤーが勝利を収めます。
その時はその場で見ていた人が盛り上がっただけで終わったのですが、数年の時を経ていつの間にかアメリカでは弱攻撃三段止めをじぇんとるメンと呼ぶことが定着していたそうです。
この話のオチとして面白いところは、じぇんとるメン氏もその話をされるまでそんな勝負をしたことを忘れており、Isaiに至っては勝負した記憶がないということです。
周りが盛り上げて、1つの出来事を界隈の固有名詞まで発展させるというのは、スマブラというコミュニティがいかに横の繋がりが広いかを想像させてくれますね。
絶(絶空)
おそらくスマブラの造語で最も有名なのが、この絶ではないでしょうか。
正式名称は「絶低空・空中緊急回避」であり、絶や絶空はそれを略した言葉になります。
行動としては多くの人がご存じのとおり、空中の低空で空中緊急回避を斜めにすることで地上に着く、スマブラDXの上級テクニックです。
絶と言われるとどういう技なのかよくわからないですが、正式名称だとどういう行動か想像がつきますね。
しかしながらこの名前が例えば、空中回避着地とかだった場合はここまで広まっていないと思うので、名前のインパクトというのは大事だと感じる技名です。
361度技(Sakurai angle)
スマブラの技というのは、攻撃を当てた際に相手が吹っ飛ぶ方向、すなわちベクトルが決まっています。
しかしながらいくつかの技は、当てた状況によって吹っ飛ぶ方向が変わるものがあり、それをスマブラでは361度に内部値が設定されていると表現することがあります。
具体的には地上の相手に技を当てるか、空中の相手に技を当てるかで変わったり、弱い吹っ飛びか強い吹っ飛びかで変わります。
スマブラというゲームは、吹っ飛びずらしがあるためこの仕様が中々にやっかいで、それのせいか海外では「Sakurai angle」と呼ばれています。
まとめ
スマブラ界隈で使われている公式用語ではものをいくつか紹介してみましたがいかがだったでしょうか。
やっぱり単語が流行るためには、語呂や語感がよかったり、使いやすかったりするのが重要だとすごく感じさせられます。
個人的には「レインボーファイヤーウェーブ※1」という古の時代にあったテクニックの名前が好きなのですが、今作では無くなってしましました。
この記事を読んでスマブラ界隈って面白いところなんだと1人でも多くの方に思ってもらえれば幸いです。
※1 崖際で上必殺技を使った状態のファイターを崖に捕まる前に掴み、掴みぬけで崖外に追いやるテクニック